FUNDOM! CI
はじめに
初めに申しますが、一風変わった「企業理念」のページと思われるかもしれません。
それもそのはずで、代表者である私自身が、飾らず、美辞麗句を並べずに、自分の語り口調でそのままお話することが、もっとも伝わるメッセージになるかと考えているからです。
この背景としては、世に存在する大部分の企業が、こうしたMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)のウェブページを持っているものと思いますが、
崇高な理念や志を掲げているものの、なかなか伝わりづらいままで終わっていることが背景にあります。
しかし、特にベンチャー企業の創業者たちなどとお話ししていると、
少なからず、社会に対する熱い想いを抱えており、
それをもとに、人を感動させることができる言葉の数々が、彼らの口から紡がれていくのをよく見てきました。
だから、
「ホームページ上だと上滑りしている」
「でも実際に話すとそんなことはない」
このギャップについて興味関心をもち、考えたところ、
結局は「社長の実体験をもとにした、生の言葉であるかどうか」の違いにあることが分かりました。
つまり、そこにストーリーがあるかどうかなのです。
様々な場面で申していることですが、
日本人はどうしても、「他人に迷惑をかけないようにしよう」という横並びのカルチャーで育つために、
どうしても、他者と違う、自身の主観が入ったウェットな内容を語ることに、
遠慮をする人が多いと思います。
でも、いつでも人の心を打つのは、実体験をもとにした自分の言葉なんです。
なんとなく、「会社のホームページとはこういうもの」という一般認識のもと、
「なんとなくキレイでそれっぽい言葉」を並べる傾向が強いと思いますが、
せっかく良いものを持っているのだから、ぜひ自分の言葉で語ってほしい。
そんな願いを込めて、自身のホームページにおいては、
ぜひ一つの事例とするべく、このように飾らず自然な自分の言葉を語らせていただく次第となりました。
潜在意識下の常識に縛られて、良い想いが伝わらない状態になっているのは非常に勿体無い。
(アインシュタインは、「常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクションである」と述べました)
だからこそ、ストーリーを語りましょう。
参考までに、以下のウェブページも貼らせていただきます。
本当に、言葉というのは使い方一つで最強の情報伝達ツールになりますね。
◯これはウェブページです。
https://justinjackson.ca/words_japan.html
さて、そんなことを踏まえて本ページは、
長文になることを覚悟で、最大限、私の個人的な経験や想いを踏まえて、
心を込めて文章を綴らせていただきました。
長い分、読了いただける方の割合も多くはないと思うのですが、
せめて一部の人にだけでも、深く伝わればという希望を込めて、
以下、当社の説明をさせていただきます。
少しでもシンパシーを感じていただけたら幸いです。
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◯当社のPurpose(存在意義)
【人々に生きる希望を与えていく】
実は、創業時から当社のミッションとして掲げていたのは、
「寛容でわかり合える優しい世界をつくる」ということでした。
未だに、私の心に強く残っている概念です。
(詳しくは以下の旧弊社ページをご覧ください:社名変更前のものです)
https://doublel.co.jp/company/
しかし、創業から10年経つ現在、
社員の方々の頑張りにより事業は成長し、いわゆるPMI(プロダクトマーケットフィット)を果たした商材を多く持つことができ、
死ぬほど大変だったM&Aを頑張ったおかげもあり、優位性ある技術やノウハウを、多く有した企業になることができました。
その結果として、当初掲げていたものと、現在目指しているものに、多少のギャップ感を感じてきたことが正直あります。
そこで改めて、我々はどのような社会価値を世の中に提供しているのか、今年、振り返る時間を少しずつ取っていきました。
そうして見えてきたのが、「ああ、我々は事業を通じて【生きる希望】を提供しているんだな」ということでした。
以下、この点のご説明をさせていただきます。
昨今の「推し活」文脈の隆盛にも伴い、当社は商品やサービスを通じて、
いわゆるオタクな方々に、キャラクターやコンテンツを介した「日々の生きる糧」を提供している状態になっています。
特に「推し活」においては、以下の東京ガスのCMが非常に分かりやすいですが、
まさに「方向性が見失われがちな現代」において、人々に方向性を提示できる価値を提供しています。
◯東京ガスCM「母の推し活」篇(90秒)
https://youtu.be/R0R-Rhm_yk0?si=twZHqFbpvoBeqBK3
※ぜひ音声付きでご覧下さい
また、理論的な分析としては、
博報堂提供の、以下資料が非常に分かりやすくなっています。
お時間のある際にでもご覧下さい。
◯HAKUHODO HUMANOMICS STUDIOレポート第2弾
https://www.hakuhodo.co.jp/humanomics-studio/assets/pdf/OSHINOMICS_Report.pdf
さてこうして、会社としての実態や現在の事業、そして私の感覚値を踏まえた際に、
これこそが、当社の最新のアイデンティティなんだということを、改めて理解できたわけです。
キャラクターコンテンツを通じて、人々に生きる希望を与えていくということです。
実は私は、高校三年生の際、学年最下位という成績を取り、
このままでは学校からもドロップアウトして、社会不適合なままで沈んでいくと思い、絶望的な気持ちでいました。
また、20歳で初めての起業をした際は、共同創業者5名から、半年以内に一斉に辞表を出され、
たった一人で取り残され絶望するということもありました。
(実際は後から入ってくれた一人だけ残ってくれましたが、二人で途方にくれていました)
さらに、10年前の30歳になる瞬間には、
事業に失敗し、借金を3億円抱えて売上がゼロとなり、
組織は崩壊し、70人の社員が全員いなくなるという状態を経験しました。
(すごく鈍感なメンタルを持つ僕でも、流石にこの状況はなかなかシビアでした、、、!)
このように人生で少なくとも3度、絶望的な状況を経験してきたわけですが、
それでも諦めずに前に進み、乗り越えていくことができたのは、
全て、漫画から学んだ「希望」という力によるものだったんです。
ドラゴンボールも、ワンピースも、そして個人的に大好きな「寄生獣」という漫画でも、
いつでも、主人公たちは絶望的な場面で「希望」を捨てず、困難に立ち向かい乗り越えました。
幼少期からずっと漫画を読み続けてきたおかげで、おそらく、自身の人格形成に多大な影響を及ぼしていたと思います。
ある種、こうした主人公たちの価値観は自分の中で、「当たり前」になっていたんですね。
それが僕の心の拠り所であり、希望という概念に繋がっていました。
実は、数百万人の人々を亡くした、アウシュビッツでの悲劇を描いた「夜と霧」という世界的ベストセラー小説において、
作家であり精神科医でもあるヴィクトール・フランクルは、以下のように述べているんです。
「たった数百人だけ、生きて帰ってこれた人たちがいた。その共通項とは、生きる希望を持っていたことだ。
【ここから出たら、目抜通りにパン屋を開くんだ】
【世界中でピアノを弾いて、疲れた人たちの心を癒すんだ】
こうした「生きる目的」を持っていた人たちだけが、生きて外に出ることができ、
逆に、「生き残ること自体を目的」にした人たちはみな、残念ながら亡くなってしまったそうです。
つまり、希望とは人々の生きる理由そのものなわけです。
それがあることで、人々の生活は日々充足し、楽しく生きていくことができる。
これらを提供するコンテンツビジネスを、より一層加速させて、
世界をよりしなやかで輝かしいものにしていきたいと考えています。
最後となりますが、ちょうど今年あった体験の話をします。
あるセミナーにて、私が生き生きと、将来の夢を語る姿を見て、後輩の起業家が言いました。
「自分はもう、特にこれ以上何も求めていなかったし、会社も何度か売却して十分な資産も得ていた。
でも、そうじゃなくて、自分もこんなふうに熱く生きたいと思った。
元々はジャンプ漫画が大好きで、「友情・努力・勝利!」こそが自分の生き甲斐だったことを思い出した。
今後は、それを軸にできる限りエネルギー高く生きていきたい」
このような「生きる目的」を与えられることは、自分にとって最も嬉しいことの一つであり、
それこそがある種、自分の希望でもあるなと感じさせられました。
創業10年を迎える現在、こうした自身の経験や、
実態として提供している社会価値などを通じて、
当社の存在意義は改めてこれであると、提起させていただきます。
「人々に生きる希望を与えていく」
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◯MVVについて
いわゆるCI(コーポレート・アイデンティティ)のフレームワークとして、
現在主流となっているのが、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)。
そしてミッションは、「企業の存在意義を果たすため、何をするのか」、
ビジョンは、「そのために目指す具体的な姿」であると理解しております。
余談ですが、私がはじめの起業をした2005年には、
当時、名著「ビジョナリー・カンパニー」が流行っていたこともあり、
会社のアイデンティティに関するフレームワークは、「ビジョン」を設定することのみが通常でした。
いつの間にか、規定すべき項目の相場が増えてしまったと感じましたが、共通言語として便利とも感じますので、
本項では、ここに沿ってご説明いたします。
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◯当初のMission(何に命を使うのか)
【ファンダムエコノミーを最大化する】
好きな作品に巡り合った際や、グッと来る「推せる」キャラクターに出会った際、
皆さんはまずはどのような行動をしますか?
実は僕は、B’zという音楽グループが大好きで、特に中学〜高校時代は「死ぬほどどハマり」したため、
「めちゃめちゃ良いからこれ聴いて!!!」と周囲に猛プッシュした結果、
あまりの勢いに周囲を引かせてしまったという苦い思い出があります(苦笑)。
だから、皆さんも好きな作品に出会った際は、
インターネットの検索エンジンで、そのコンテンツについて深掘りすることはもちろんながら、
周囲のご家族や友達に、「これすごく良いよ!見てみて!!」などと、
熱くその良さを語って布教する、ということをしたことがあるかもしれませんね。
そして、実は今の時代はこのような、「横のつながり」が物凄く得やすくなっているんです。
SNSなどを中心とした、インターネットメディアやチャットツールの発達のおかげで、
テレビを通じて、一方的に情報発信されて終わるだけでなく、
感動した作品があれば、その良さをすぐに周囲に連絡したり、SNSを通じて拡散できる。
また、IP(作品)側のほうも、同じくこうしたメディアを通じて、
継続的にファンたちとの交流や、双方向型の情報発信を行うことができる。
(IP=様々な作品やコンテンツ、キャラクター群を指す)
これによって、IP側とファンたちが一丸となり、縦横の交流を深くしながら、
全体としてその経済圏が支えられて膨らんでいく、という時代になりました。
これを総じて「ファンダムエコノミー」というのです。
(画像:過去と現在の図式比較)
これはいわば、ファンたちの築くキングダム。
好きを通じて繋がり広がった王国が、コンテンツそのものを支えるという姿を指しています。
真新しい事例だと、ファンたちが能動的にBTSという韓流ポップスターを押し上げて、
世界的人気グループというスターダムになったことが記憶に新しいですね。
「漫画を連載して、終わる時が寿命」
「アニメ化して人気が高まり、テレビ放送が終わったら見られなくなる(その後はDVDで見れるのみ)」
以前までの上記のような状況とは、時代が打って変わってきました。
現代は、ファンダムエコノミーがあることで、
自分の好きなコンテンツや「推し」のキャラクターと、いつでもどこでも触れることができ、
日々の生きる糧とすることができる。
そのため、我々の主な事業ドメインであるアートソリューション、ライブエンタメ、ゼネラルマーチャンダイズ、キャラDXの事業目的は、
「いつでもどこでも、コンテンツを生き物としてライブ感を味わい、それを媒介に横のファン同士で繋がり、全体として楽しみながら、経済圏を大きくしていくこと」なんです。
以下は、上述した博報堂のレポートからの抜粋ですが、
◯(画像)推しという現象を構成する、6つのコア心理
推し活6類型(search, own, admire, share, cpnnect, support)
「全てに当社の事業がつながっている」
まさに、以下の目的をコンテンツ事業を通じて、達成していくことそのものを指します。
「共有体験を増やして、人と人をつなぐ」
「日々を輝かせて、エネルギーを与える」
「カジュアルからコア・近いから遠いまで、あらゆる角度の体験空間を提供する」
日本だけでも2,000万人いる顕在ユーザーと、コンテンツの供給者をつなぎ、
「生きる希望を与えていき」ファンダムエコノミーを最大化するのが、
当社ファンダムのミッションです。
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◯当社のVision(目指す姿・形)
【唯一無二の、和製IPのアクティベーター】
実は、当社の一番はじめのスタートは、私や共同代表の井上が、
「足を使ってひたすら泥臭く、漫画家さんたちにお会いしていくこと」から始まりました。
2014年に、自身が漫画が好きすぎて、
「マンガ・アニメに関する事業がしたい!!!」と強く思い、
勢いのままに創業した当初ですが(漫画については、今でも月に100冊は読みます)、
世界に日本のコンテンツを広げたいという理想を持ちながらも
やることも定まらないまま、迷走していたのが初期の数年間だったんです。
そこで「とにかく、当事者であるクリエイターさんたちと会わなければ!!」ということで、
まずは、ひたすら漫画家さんたちとの交流会に参加し、ヒアリングさせていただきました。
例えば、初期に大変お世話になったのは、
『まじかる☆タルるートくん』や『東京大学物語』で著名な江川達也先生ですが、
「お前は何も分かってない!!!!!」とたくさんお叱りを受けたことが、
今では良い思い出です(笑)。
そして、徐々にアニメ会社の社長さんや、イラストレーターさんたちともお話する中で、
見えてきたのが、共通する以下の課題でした。
※成長可能性資料より
・2ページの説明漫画
思いの籠った作品と、それを愛するファンたちが、
楽しみ続けられる場が無くなってしまうのは非常に悲しいし、勿体無い。
だから、それらを得られる「体験空間」を拡張し、
IPを活性化している状態にする(アクティベーション)ということが、
当社の事業意義となっています。
※成長可能性資料より
・IPアクティベートの資料
これらを通じて、我々は「IPのアクティベート事業」と呼称しています。
徹底的に現場主義で、漫画家やクリエイター、アニメ会社や版権会社さんと交流していった結果、
「この分野をやりきっている会社が他にない」ことが分かり、
ひたすらこだわりながら、体験空間を拡張する事業を磨き上げてきました。
その結果、創業10年の歴史で手前味噌ながら、オンリーワンのポジションを築き、
参入障壁の高い市場構造の中でも、大きな優位性を獲得することができました。
当社が独自のビジネスモデルを構築し、
「様々なIPの市場価値を維持して、高め続ける」という事業体を作ることに成功できたことが、
多くのクライアントやユーザー様に、とても喜んでいただけている理由です。
最近では、白泉社様とともに提供する【漫福ガチャ「俺様ティーチャー」】のサービスにて、、
著者の椿いづみ先生から、アクリル製品の印刷とカットにつき、クオリティを高くご評価いただきました。
アクリル製品が大好きと自負されている、目の肥えたクリエイター様に認めていただけたのは、
とても嬉しい出来事でした。
https://x.com/tubakiidumi/status/1786014106920906999
(抜粋)
アクリルスタンドが、とにかく印刷がキレイで作りも丁寧でとても嬉しいです!
サイドの処理も綺麗で、指で擦っても傷つかないタイプの処理でとても良かったです。
事業体としてのご説明としては、
我々の事業によりアクティブなIPが増え、IP当たりが生み出す収益(IPレベニュー)が増大することで、
掛け算式に収益が高まることが、我々の急成長を生むエンジンになっています。
まだまだ、社会意義を果たすために、
やるべきことは無限大です。
そのために、我々はあえて、「日本においての唯一無二のそうしたプレーヤーであること」を自負して、
そこを目指し続けています。
これらを世界では実現している会社があり、
それがウォルト・ディズニー・カンパニーです。
彼らは業界の再編統合も積極的に行う、M&Aに非常に長けた会社であり、
年間の売り上げは7兆円を超えます。
かたや、日本もディズニーに並ぶコンテンツやキャラクターは、世界的に生み出し続けているにも関わらず、
もっとも大きなコンテンツ会社でも売上が数千億円に留まっているのは、
この「IPのアクティベーション」という観点が不足しているからなんですね。
潜在ニーズのある、このチャレンジングな領域で、
ベンチャー企業として今後も末長く積極的なチャレンジをし続けます。
どうか、見守り続けていただけると幸いです。